Madoka Suzuki
マリ先生、二ヶ月ありがとうございました。
今はビクトリアで早速、新学期がもう始まっているので、生徒160人の前で自己紹介とダンスレッスンのアナウンスメントをしました。若干声が高くなってしまったり、噛んでしまったりしたけど、特に前の私を知っている講師陣たちは驚いていました。
私自身、不登校、いじめ、学校、家庭環境と複雑で夢も希望もなかった子ども時代でした。
20代前半で人はなぜ踊るのか?というテーマを持ってアフリカ、南米、アジアや北アメリカを踊りながら旅をしてました。
踊りながら旅をする中でたくさんの方に認められ、道行く人が私のダンスに感動してくれ、こんな私でも誰かの希望になれるのだと、アフリカの地で心が震えたのを今でも鮮明に覚えています。
それからはたくさんのダンスの仕事のチャンスが舞込み、夢を叶えてきました。
初めてカナダに来たのはTEDxYouthに参加するためでした。
私以外のダンサーは全員カナダ人、もちろん私だけ英語がさっぱりわかりませんでした。
2年前は「楽しかった」も英語で言うことすらできませんでした。
本当に悔しかった、悲しかった、孤独でした。
ワーホリでカナダにいる間も、ダンス教えたりはしていましたが、ダンスは特に言葉がいらなかったので仕事で困ることはなかったけれど、ホームパーティーや人付き合いなどで英語がわからず、目も合わせてもらえない、ということは幾度となくありました。
私はダンサーなので、言葉だけが全てじゃないって思います。
でもやはり英語ができないせいで、日本ではダンスイベントのオーガナイザーをしていたのにカナダでは躊躇していたり、ダンス以外でも自分のパートナーがパーティーに行かないなら自分も行かない、など自分のやりたいことを英語ができないせいにして諦めてきました。
もともとお酒もあまり飲めず、見えないかもしれませんが内向的な面もあるので、それが増した感じでした。
英語ができないからこそ、ダンサーやアーティストたちと繋がれた時もあります。言葉では表現できない何かが人にはあるから、ダンスや音楽、アートがあるのだと思います。でもその考えすら、英語で伝えられないのです。
英語ができなくてよかったって思ったことは一度もありません。
ずっとずっと英語が話せるようになりたい、理解したい、そう思っていても言語の壁は分厚く、
その壁を越えれば綺麗な景色があるはずなのに、それを1~2年間でたくさん見逃していました。
でも何をどうしたらいいのか、どう勉強していいのか、10年以上も勉強していなかったので、何をすればいいのかもわかりませんでした。
友達からベクターの話を聞き、行くことに決めました。
文法を勉強するインプットクラスにいる時は、マリクラスの方たちがすごすぎて自分には無理だと思っていました。
そしてその時にしたマリクラスとの初ジョイントレッスンの時、マリ先生がめっちゃ怖かったです・・笑
卒業した今もわりとビビっています笑
あのとき先生が「カナダはあなたを変えてくれない」といっていた言葉、本当にそうだと、住んでいるだけじゃ喋れるようにはなっていない自分がいたから心底共感しました。でもどうしたらいいかわからなかったのです。
そしてマリクラス受講1日目、やばいとこに来てしまったーーという思いでした。
1ヶ月目、とにかく必死でついていかなきゃと思いました。
特に同期の生徒さんのレベルが高くて、二人の言っている英語が理解できなかったり、二人が知っているボキャブラリーをほぼ知らない、
本当に自分が一番できていないというのを毎日痛感しながら焦っていました。
単語の覚えにすごく時間かかって、本当にきつかったです。
二ヶ月がめちゃくちゃ長く感じました。自分の意見を英語で言う時も何を言えばいいかわかりませんでした。
けれども授業の中で先生が「私は嫌われ役でいい。みんなの英語が伸びるなら」ということを言っていた時に、マリ先生に最後までついていこうと思いました。
2ヶ月目になっても自分に必死で、新しく入ってきた子を引っ張っていくという感じにはできませんでした。
2ヶ月目は2ヶ月目で、違うしんどさがあったように思います。
2ヶ月目のほうが単語が入らない、文章も覚えられない日々が続きました。
覚えられない恐怖と、忘れていく恐怖におかされました。
歴史など一般的知識が人よりも欠けていたので、自分のトラウマや人生を振り返る時期で精神的にも辛く、お金が無駄になってもいいからやめてしまいたいって思った時期もありました。
日々の中で”楽にこなせる”と思った日は一回もないです。
早く終わりたい・・毎日つらい・・・もう覚えられない・・・それが本音でした。
それでも、他クラスとのジョイントレッスンで英語プレゼン合戦をした4回とも、実は勝ちました。
違う自分になれる楽しさを途中から発見し、それが唯一楽しめました。
英語でオチを作る難しさや、観客の目を引くように作り込むこと、それは時間がかかりましたが、
日本語で話す自分とは全く違う自分を垣間見れました。
不思議です、演技とか恥ずかしくてできないタイプだったのに。
ただ普段の授業が人よりついていけない分、ここで巻き返そうって思っていました。
本当の自分のパーソナリティーは人付き合いが下手で内向的で人見知り、
自分で言うのもなんですが、人が思うよりマジメで繊細なんです。笑
自信がないけど自信がある見せ方、これは自分がダンスを教える時もやっていることでした。
今ではそれが英語の話し方としてできるようになったと思います。
でもマリクラスを卒業したからといって、
自分の英語が完璧になったわけではもちろんないし、
第二言語なので落ちるのもはやいし、
まだまだこの言い回しなんて言えばいいんだろう、
会話の中で止まってしまったり、文法迷ったり、そういうことがまだまだあります。
怖いです。自分の英語がおちるのも怖いです。
始めることより、続けることが難しいのだと思います。
けれども卒業してしまった今、誰も頼れる人がいない今、やり続けるしかないのだと思います。目の前にあるチャンスを、もう英語のせいで見逃してしまうということがないようにしたい。
途中で諦めなくてやめなくて本当によかったと思います。
これからまた、気を新たに頑張っていきたいです。
マリ先生二ヶ月間、本当に本当にありがとうございました。