Update : 2021.03.11

海外 カナダ・バンクーバーで向き合う3.11「記憶のための未来 / 東日本大震災後のアートと暮らし」

 

 

こんにちは、スタッフのTakです。

 

本日のブログ内容は東日本大震災から10年が経ち、
カナダ・バンクーバーでおこなわれている展覧会を訪れて感じたことについてです。

 

本ブログを書くかどうか迷いました。
ただあの日、3.11がなければ今自分はカナダにいないと思います。
10年が経過し、やっとこの震災と向き合うことができるようになったと感じたからこそ
展覧会に行きました。

 

バンクーバーにある公立大学UBC(University of British Columbia)内に
UBC人類学博物館(Museum of Anthropology at UBC)があります。

この人類学博物館(MOA)にて、
特別展示「記憶のための未来 / 東日本大震災後のアートと暮らし」
(A FUTURE FOR MEMORY / Art and Life After the Great East Japan Earthquake)が
2021年2月11日~2021年9月5日まで開催されています。

【WEBサイトはこちら】

 

今回、日本時間3月11日に合わせバンクーバー時間3月10日に行きました。

まず、この人類学博物館(MOA)に行くこと自体が初めてだったため

大きさが分からず通常のルートで他の展示を観ました。

人類学博物館ってなにがあるか、名前からではイメージがつきにくいですが
世界各地域の文化に関するものがあり、

その国・地域の信仰してきたものの偶像お面などで比べることができます。

住む地域によって全く異なるお面の表情などを楽しむことができます。

 

そして、その本展示会場を抜けた先にある展示会場にて
今回の「記憶のための未来 / 東日本大震災後のアートと暮らし」が開催されています。

 

到着すると入り口にある看板を前に、なかなか中に入ることができませんでした。

写真を撮っていたからではなく、まだどこかに考えないようにしていた気持ちがあったんだと思います。

 

 

深呼吸をして、ドアの正面に立つとプロジェクターから写真が映し出されていました。
その先に、展示されている写真たち。
それぞれの写真にはそれぞれの物語があり、
目を背けずにしっかりとみました。

特に印象的だったのが「牛の頭骨とお花の写真」。

写真についての説明文を読んだ時、
写真の背景について知らなかったのか、
忘れていたのか、
それとも知ろうとしなかったのか、
似た話は覚えていたからこそ
衝撃的なこの牛の頭骨とお花の写真について
きちんと今向き合わないといけないと思いました。

 

展示会場中央には、大船渡市の模型。

手書きで書かれていた各箇所への一言を含め
最初は直視できませんでした。

ただ、この模型が「失われた街」模型復元プロジェクトとして
人々によって数えきれない思い出と街への愛情を表すために、
記録のために残したものだと知り、
見ない=知らないではなく
そこに「確かにあった」ことを知る意味で見ないといけないと感じ
もう一度見ました。

模型のすぐ隣の壁に貼られたたくさんのぼやけた写真。
これは海水に浸かった写真。
津波で流されたアルバムを見つけ、
その写真を持ち主の方々が見つけたときの様子が
壁の前にある本に記載されていました。

 

この壁の裏側には、被災直後の街に関する写真の数々。
当時ニュースで見たような地震・津波・その後の二次/三次災害の内容。
被災地の方々からのコメントを読むことにより、
自分では感じることができない目線でも写真を見ることができました。
このセクションでは復興支援ソングであり曲は震災で亡くなられた方目線で作られた
「花は咲く」をスマホで聞いていました。

版画のようなたくさんの紙が貼られたていたブースは自然についての内容。

木(自然)に対して起こっていた内容は、

そこに住んでいる方々の気持ち文化もあり、
ただ切らないといけないでは考えれないことでした。

バンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビアにも流されてきた
船舶についての物語。
震災直後ではなく、長い時間をかけ被災地のモノが様々な地域に流れ着いたという
ニュースはよく日本でも報道されていたと思います。
ここでは実際に流れ着いた大型の船舶・小型の船舶について記載されていました。
大型船舶に関しては、被災地の誰かのモノだからではなく
ある理由により沈められていたと知りました。

被災地の方々が発信している、お伝えになられた情報を
こちらが「心苦しいから」「悲しいから」などの理由で
見ないではなく、
発信している方々の気持ちを感じ、知ることも大切だと

今回の人類学博物館(MOA)へ実際に足を運び展示を見て率直に思いました。

 

「記憶のための未来 / 東日本大震災後のアートと暮らし」

アートというタイトルがありますが、
東日本大震災 3.11の特別展示としてお考え下さい。

 

 

その後、再度先ほどのMOAの通常展示会場を訪れると
世界各地域の文化について見方が変わっていました。

文化とはその地域の特徴に合わせて変わるもの。

もしこの地域で地震や津波、台風などが発生しやすかったら
展示されているものの形は変わっていたのではないでしょうか。

 

現在、MOAは工事している場所もあるため通常より狭い範囲での公開となっています。

またコロナウイルスの情勢により入場時間を指定します。

予約制となり、大人1名$15。

オンラインでチケットを購入時に入場時間も指定します。
【人類学博物館のWEBサイト】

 

カナダ・バンクーバーにいるから知らなくてもいいではないと思います。

現在住んでいる場所に関係なく、
むしろ海外にいるからこそ東日本大震災 3.11を忘れないように
一人でも多くの方がこの展示会に訪れ、
メッセージを受け取っていただければと思います。

ただ、一方で自分は10年かかりました。
ある時期まではずっと震災がなかった世界を見てみたいと
思っていました。

まだ向き合えていない方は、いつか向き合えるタイミングが来ましたら
無理のない範囲で他の被災者の方々からのメッセージも受け取ってください。

 

震災の被害・犠牲になられた方が、

一人でも多く

少しでも前に進まれていることを

少しでもあの日と向き合えるようになっていることを
願っております。